2009年9月 9日

初恋物語2.0 それは桂ヒナギクの物語 このエントリーをはてなブックマークに追加 初恋物語2.0 それは桂ヒナギクの物語

この記事は、
初恋物語2.0 それは桂ヒナギクの物語(前編) - ヒナギク様に恋してるっ!!
初恋物語2.0 それは桂ヒナギクの物語(中編) - ヒナギク様に恋してるっ!!
初恋物語2.0 それは桂ヒナギクの物語(後編) - ヒナギク様に恋してるっ!!
上の三つを一本の記事にしただけです。


初恋物語とはなにか。
これの詳細に関しては桂ヒナギクにとってのトゥルーエンドとは? - ヒナギク様に恋してるっ!!を参照してもらいたい。
簡単にいえば、ヒナギクの世界(ヒナギク視点でのハヤテのごとく!の物語)の名前。
もちろん、私が勝手に名前をつけています。

前述の記事を書いたときと今の状況で大きく異なっているものがあります。
それは、天王州アテネの存在です。
当然といえば当然です。
二年前にあの記事を書いたとき、アテネのことを考慮していませんでしたから。
あれこれと、書くので記事が長くなります。

初恋物語。
この根幹にあるのは、初恋を通じてのヒナギク自身の成長だ。
ヒナギクがハヤテに告白することがトゥルーエンドではないと思っている。彼女自身がハヤテに告白すること自体も、通過点の一つに過ぎないのではないかと。

この考えも変わらない。

2009/09/09時点を踏まえて、一体ヒナギクの物語はどうなっていくのか。
これを考える上で、必要なのは前回の記事から二年。そこから、今に至るまでに何があったのかを洗い直す必要がある。
あの記事を書いた時点では、4月3日夜の部でのヒナギクから西沢さんへの告白すら発生していなかったのだから。
つまりはコミックスで言えば14巻以降の話は何もない。
桂ヒナギク初恋物語2008 まとめ - ヒナギク様に恋してるっ!!でも書いてるんですが、今回はもうちょい掘り下げます。


まず、ヒナギクメインイベント及びヒナギクとその他の共通ルートのイベントは何があったのか。

1.4月3日の夜の部(第143話「僕たちの行方」~第146話「Distance~遠くても」」)
2.日比野文の登場(第158話「高校生活の実態は、理想とだいぶ違う」~第159話「危険がウォーキング中」)
3.ハヤテとの初デート(第162話。「ほらDSで笑顔の練習とかするゲームあったじゃん。あれとか使うといいんじゃない?」~第164話「MAGICAL LABYRINTH」)
4.ミコノス島導入(第194話「クイズ マジック ハムデミー」~第195話「わからないからわかりたい。わかってないけどわかってしまう。そういうクイズな人生」)
※西沢さんのチケットゲットだけを考慮してます
5.ミコノス島(第200話「重力に魂は引かれても成田から人は飛べる」~)

上記とは別に触れておかないといけないのは、ハヤテの世界のお話。
ハヤテに限っては、共通ルートが多すぎるので、アーたん(アテネの世界)と関わりのある部分だけに触れます。
1.THE END OF THE WORLD(第177話「それは光で時を切り取る機械」~第187話「THE END OF THE WORLD 10 いつか、雨が上がったら」)
2.ミコノス島(第200話「重力に魂は引かれても成田から人は飛べる」~)
これらをちょっとだけ覚えてもらっておくとして。

非常にざっくりと列挙しました。
ミコノス島編はその中でも、ヒナギクにとって重要なイベントがありますが、ここではハヤテもヒナギクもまとめて、ミコノス島編にしています。

ハヤテのことは一旦おいておいて。
ヒナギクのメインイベントと関連したお話について触れよう。
1~3まではそれぞれ触れてみます。

1.4月3日の夜の部
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ここで最も重要なことは、下田編までは西沢さんの気持ちを知りながらもハヤテのことを好きになってしまったことを告げられずにいて、そのことをやっと西沢さんにいうことができたこと。
恐くて言えなかったことです。
応援すると言い出して、ハヤテのことを好きになっていたのだから。
でも、動き出した気持ちは止められないものです。
ここで、西沢さんに告白することで、恋愛において西沢さんと同じステージに立ったことになる。
ただ、ヒナギクにとって重要なことは
自分からスキとか言うなんて......なんか負けた気がして悔しいじゃない
※第146話「Distance~遠くても」参照
このヒナギクの本音です。


日比野文の登場
なぜ、これをヒナギクのメインイベントや共通ルートとしていれたのか。
それは日比野文が生徒会長の桂ヒナギクの、後継になるから。
文とシャルナは、ヒナギクやハヤテたちの次世代として白皇学園で活躍することがほぼ確定している。
実際、文は生徒会長になることが約束されている。


ハヤテとの初デート
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このとき、いやここまででヒナギクにとって最大の頭痛の種は、
ハヤテはヒナギクに嫌われてると勘違いしてること。
これまでのヒナギクの態度からは、勘違いされても仕方がないとおもう。
でも、この頃から、ハヤテに【勘違い】されているからどうにかしないといけないと思っていた。

楽しかった一日、その理由をハヤテに尋ねたときにヒナギクはハヤテにどんな回答を期待していたのか。
答えを聞いて、ヒナギクにかかっていた魔法が解けてしまったわけだ。
自分が映画に誘われて来た理由をハヤテは理解してない。
ハヤテのことが好きなだからに......決まってる。
もちろん、ハヤテはそんなことに気がついてないわけだ。

さて、ここまでにヒナギクが自分から行動を起こして、ハヤテに自分の好意をアピールしたイベントはない。
でも、彼女からすれば、行動面で少しずつ変化を現している。

ミコノス島編
ここからはミコノス島編でのことに触れていこう。
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第213話「トライアングラーをさらに倍プッシュだ」の時点では、ヒナギクは西沢さんに自分がハヤテをスキになったのは一目惚れだと言っているし、自分から告白しないで、
ハヤテにスキだと言わせるとまだ言っている。
でも239話では告白(決意してるわけだ結果はともかく)に至るまでどういう変化があったのかを追いたい。

第214話「神話への扉」~第217話「恋愛迷宮」の地下迷宮のお話では、二人きりの状況で手が触れあうだけで意識していたり、自分をか弱い女の子としてみてほしいという願望がある。
214話からのハヤテを意識しているというのは、213話での西沢さんとの話があったから、余計に意識してしまっていた。
ここでヒナギクが認識したのは、ハヤテの「か弱い女の子」カテゴリーに自分が入ってないこと。
ヒナギクだって女の子だから、守ってほしいと思うわけだ。
女の子の夢でもあると思う。

第219話「イノベーターではない僕らの心はお互いうまく伝わらない」~第224話「女の子のご機嫌をとるのは大変。でも大事」のビーチバレーのお話。
ここでは、ハヤテが水着姿を楽しみにしてるぞという理沙の言葉(第219話「イノベーターではない僕らの心はお互いうまく伝わらない」参照)に対して否定してる。これは、か弱い女の子にしか、ハヤテが興味がないと勘違いをしてるから。
同219話内で、ハヤテから何か告白したいことあるんじゃないかと言われてる。
ここで「ハヤテは自分の気持ちを知っている」と勘違い。
ハヤテにスキと言わせると言っていたのに、ヒナギクからしたらハヤテにスキと『言わされる』状況になってると勘違い。

hayate221-01.jpg

第221話「ビーチに来たからにはやる事がある」で、西沢さんが
まあ、ハヤテ君はあいかわらずみたいだったけど...けど...想いを伝えるくらいは...いいんじゃないかな
このことが、告白しない→告白することへの第一の揺らぎになる。
ビーチバレーの中で、自分がハヤテにとって、か弱い女の子にカテゴライズされてると思うことができたから、それはよかったと思う。
このビーチバレーでも、ヒナギクから告白するのか?
という話もあったけど、この時点のヒナギクは自分の告白への決意が固まってなかったから無理だった。
ただ、ここで少し、告白してもいいという方向へ傾いたのは大きい。
また、若干弱いけどハヤテ→ヒナギクでディナーに自分の意志で誘ったというのも大きいかも知らない(第224話「女の子のご機嫌をとるのは大変。でも大事」参照)
愛歌さんの提案もあったからだけど、初デートの第164話「MAGICAL LABYRINTH」に自分の意志で誘って欲しいというのも、
少しぐらいは達成されてる。

【他世界からの干渉】
ここまでのイベントだけをみると、ヒナギクルートは順調に進行してるように思える。
ただ、最大の誤算は、『ハヤテの世界』、『アテネの世界』が動き出したこと。
THE END OF THE WORLDで、ハヤテはアーたんのことを思い出し彼女の影を、見ることになる。
そして、第231話「Beyond the Bounds」~第234話「千年経っても覚えている」でハヤテとアテネの再会とそれにまつわるエピソード。
この話は、ハヤテにもアーたんにもとっても重要な出来事になる。
彼と彼女の静止した時間が動き出した。

第236話「一を聞いて十を知らない」で、ヒナギクは告白することを決意する。
ハヤテが自分とのディナーが憂鬱だと思ってると勘違いしたことから、
結局、言わなきゃ通じないってことに至るけど、若干理由としては弱いと思う。

たぶん、ヒナギクの中での葛藤で決め手になったのは、
まあ、ハヤテ君はあいかわらずみたいだったけど...けど...想いを伝えるくらいは...いいんじゃないかな
このセリフと、ビーチバレーの一件なんだろう。
でも、「言わなければ通じない」になるには、やはり押しが弱いかな。
順々に話を追ってきたが、やはり 告白しない→告白する!への変化がなかなか見えずらい。
やはり、告白を決意することを決めるまでの葛藤描写があったほうが良かったと思う。

三つの世界が交差する
第238話「言葉にならない」、第239話「silky heart」とヒナギクとハヤテにとっての重大なイベント。
初恋物語においても、山場の一つだ。
ハヤテとヒナギクのディナー、そして彼女が固めた告白の決意。それがどうなったかは、本誌読者なら知っていると思う。

第239話「silky heart」。
この話は、ヒナギクの世界(初恋物語)でも、ハヤテの世界でも、そしておそらくアテネの世界でも、重要な話になる。
いわば三つの世界の共通かつ必須の重要なイベントになった。
そうでなければ、きっとヒナギクはここで自分の想い伝えることができた。
動き出していたハヤテの世界とアテネの世界、これが誤算。
ヒナギクの問いかけで、ハヤテはアテネが自分にどういう存在か知ることになり、その結果は必ずアテネの世界に波紋を広げる。

初恋から得るもの
果たして桂ヒナギクは、一体何を得るのか?
正直言おう、わからない!
これはハヤテのごとく!が最終回を迎える間際のヒナギクと、初登場時のヒナギクでの何が変わってるのかを見ないとなんとも言えない。
でも、確実に彼女は変化している。

単純な変化として
・自分から告白しない→自分からの告白しようとした。
など、徐々に変化は現れている。

トゥルーエンドに至るのに必要なこと
桂ヒナギクがトゥルーエンドに至るのに必要なことは、【失恋】と【告白】、【涙】だと考えてる。
とくに、【失恋】に関してはもう既に起こっている
これに関しては、239話とtanabeebanatさんの桂ヒナギクの初恋から失恋までの軌跡の記事を参照してほしい。

強烈なヒロイン属性を持つキャラクターの失恋。それも、自分の思いを相手に伝えることすらかなわないままの失恋。

この展開を予想した人はいたのでしょうか?(ハヤテのごとく! 桂ヒナギクの初恋から失恋までの軌跡 - tanabeebanatの日記より)

私としてはヒナギクの失恋確定は、考えのひとつにあったことなので驚きはしません。
ああいう状況は予想してなかったけど。

【涙】に関しては、【失恋】の延長で発生すると考えてるので、これもほぼ発生は約束されてるんじゃないかな。話数としてもずいぶん先になってしまうと思うけど。
泣いて慰めるのがきっと西沢さん。雪路はヒナギクの恋愛について知ってるわけではないので難しいけど、
姉として何かを察するんじゃないかな。
240話で泣きかけてるけど、彼女はグッと堪えている。
でも、ホントに泣きじゃくってもいいと思ってます。

ただ、ここで残っていることがある。それは【告白】の有無。
上記でtanabeebanatさんがいうように、相手に想いを伝える前に失恋している。
これは、ヒナギクの初恋が決着したように思える。
けど、私がこの先、重要になるのは【失恋の上の告白】だと思っています。
そう、ヒナギクは告白する。

失恋した上で、ヒナギクが取れる選択肢は数ある。
その中で失恋がわかっていても、それでも彼女は告白すると私は思っています。
なぜか?
それはヒナギクへの西沢歩の干渉があるから。

西沢歩の親友属性の発揮になる。
親友属性か、または恋愛同盟なのか、それとも友人なのか、どの表現がいいのか悩んだけど、
親友属性としておこう。

彼女が辛くてもちゃんと自分の気持ちを伝えないと後悔するよ! と言い出す気がしてならない。
友人からの励ましは、桂ヒナギクの成長に必要なものになる。
また、240話の中で、
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好きって気持ちだけでも相手に伝えて......!! その後どうすればいいか考えたらいいじゃない
これは、ハヤテに向かって言っているけど、これが彼女自身の後の行動指針になるんじゃないかな。
確かにハヤテはアテネのことが好きだ。
ヒナギクはハヤテが好きだ。
自分でもわかっているように、相手に気持ちを伝えてその後のことを考えればいい。


私は初恋物語において、【告白】も【失恋】も通過点に過ぎないと考えてる。これは桂ヒナギクにとってのトゥルーエンドとは? - ヒナギク様に恋してるっ!!で述べているように、ハヤテのごとく!における桂ヒナギクの物語は彼女の成長物語であるから。

239話における失恋確定を受けて、ハヤテのごとく!において桂ヒナギクは物語の完結を迎えたキャラクターになったわけではない。
これから失恋したヒナギクが、これからハヤテやアーたんとどう向き合っていくのか。
また、西沢さんとの関係はどうしていくのか。

そして、なによりもトゥルーエンドに必要なもの。
それは、彼女の【ワガママ】。
最後の最後で、彼女自身が【ワガママ】にならないと幸せを掴み損ねる。
ただ、240話であったように、
2009img266.jpg

生徒会長属性があるため、なかなか難しいものになりそうだ。

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コメント[2]

ヒナギクが好きなファンには辛い展開になってますが、これがないとヒナギクが前に進めないというのも事実なんですよね。ミコノス編だと一人で盛り上がってる感が強かったですし(恋ってそんなものですけどw)一度落とされるんだろうなとは思ってましたけど・・
ヒナギクがこの後どう立ち回るのか、ハヤテとアテネはこのままくっついてしまうのか(笑)、とにかくこれからもハヤテのごとく!を見ていくしかないですね。

もちろんこのヒナ恋と一緒にです!毎週楽しんでブログを拝見させてもらってます!

振られた後のほうが大人っぽく見えるのは気のせいでしょうか。

本誌の展開を知ってる上でアニメを見てると
なんだか切なくなりますね…

こんなに続きが気になるのは初めてです。
早くヒナさんが立ち直るのを見たいですね。